見て、見て、Uさん。スゲイダンベー、この写真。
う〜〜ん。
うなっちゃったかい? どこかで見た事があるバンブーロッドだんべー。まるで、カタログの写真見ていだんベー。
これ白戸さんのバンブーロッドかい?
そうさ29,500円には見えねいだんべー、10万円以上に見えないかい? 白戸バンブーロッドの7‘2“#2/3の竹フェルールでノードレスだよ。ちょっといい感じに焦げ目が入っていてさ、白戸さんが初めて竹フェルールのバンブーロッドを作ったやつさ。
俺見てねいよ。
そうかい。Uさんもけっこう店に寄ってバンブーロッドをよく見てくれているけどね。この人は買ったその日に18cmぐらいのヤマメをヒットさせたが、手元でバラしたそうだ。なれるのに30分ぐらいかかったそうだが、こんなに柔らかいバンブーロッドで初めてにしては、タイシタもんだよな。
それから嬉しくなっちゃて、数日後に上野村の例の本谷に出かけて、渓に入ってすぐ27.5cmを釣り、午後には尺物のヤマメを釣っちゃたワケよ。バンブーロッドの穂先からグリップの近くまで満月状態だったそうだ。その次にUさんが来て、一番長いトンキンケーンの白戸さんの竹フェルールの2/3#7‘5“を買ってくれたじゃないか。
そうだったけね。
思いだした? だからこのお客さんとタッチの差で、全然関係が無いともいえねんじゃねんかな? ちょっと無理があるかな。
さっき近いうちに白戸さんが何本かバンブーロッドを持ってくるといっていましたよね。白戸さんが来るのなら、俺も上野村の本谷で白戸さんの竹フェルールの2/3#7‘5“で釣ったイワナの35cmの写真を持って来ますよ。
数日後、さっそく、上野村の本谷で釣ったイワナの写真を3枚見せに寄ってくれた。1枚は携帯で後の2枚はデジカメで撮りました。どれがどれだかよく分からなくなってしまったが、Uさんなりに一生懸命撮った雰囲気は十分伝わって来る。イワナの35cmのデップリ感と飴色がイワナの存在感をドドドーンと感じさせる。
イワナも、もうランデイングネットの中に納まっているのに、まだ半分水の中だとフライを呑みこもうとしている。そんな獰猛さが可愛く感じる。それにUさんが意識して白戸バンブーロッドをリールと一緒に写真の中に入れている。普通のフライマンは分からないと思いますがUさんと私には分かるのです。
へー、このランデイングネットは安中ネットさんのだよね。ネットが濃い緑で、イワナが引き立つね。Uさんの安中ネットは背中の飾りものではないようだね。
Uさんはちょっと苦笑い。
小板橋さん、本谷のイワナは放流物ではなくて、元からそこの渓にいたものだそうです。前に友人と来た時に場所を譲ったら、5分もしない内に大きい音でバシャと音がするので振り向くと友人が40cmオーバーのイワナを釣り上げていたんです。
どうもその時の悔しさからすると、35cmのイワナはUさんの中ではまだまだと思っているのかもしれない。でも立派な飴色の大イワナだと私は思いますよ。ヤマメの尺のお客さんとUさんのイワナと共通点が一つ。なぜだか白戸バンブーロッドは一番初めに大きい魚がヒットする。
その時、バンブーロッドはどうだった。満月状態だったかい。
いやいや、逆U字型で水の中にティペットが一直線でどうなるかと思いましたよ。Uさんだからコントロール出来た様な気が私にはします。なにせバンブーロッドをうちの店からだけでも6本ぐらいは、買ってもらっていますから。でも竹フェルールのバンブーロッドで35cmのイワナは初めての経験でしょう。
竹フェルールと金具のフェルールと、どこかが違ったですかと私が質問した。するとあっけない答えで「まったく同じ番手で同じ長さでは無いから比べられない」。本人意外と冷静だ。
そうそう、近いうちに白戸さんが9本ほどバンブーロッドを持ってくるが、今度も有難いことに色々チャレンジしてくれていて、ワン&ハーフで9本。2年前かな、二人で地元の竹2種類を伐った。そのうちの1種類に点々がいい具合に出ているやつを竹フェルールで作ってくれたんだ。白戸さんも随分お気に入りとのことで私は大変今回は楽しみにしているんですよ。もう1種類は女竹でそれも楽しみなんですよ。
またちょくちょく寄らせてもらいますよ。
写真ありがとうね。しっかり白戸さんに見せておくよ。
(つづく)
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小板橋伸俊(アンクルサム/群馬県安中市松井田町)
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